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動悸、息切れは一緒に語られることが多いようです。動悸は普段意識することのない心臓の拍動を感じること、息切れは普段意識していない呼吸をハアハアしているように感じることで、別物です。前者は心臓の異常、後者は肺など呼吸に関する異常を意味します。心臓は血液を全身に回すポンプ、肺は外気の酸素を体内に取り込む働きをしており、各々独立しているように見えますがそうではありません。酸素を取り込み全身の細胞へ届ける仕組みは、まず肺で外気から酸素を血液へ取り込み、老廃物の二酸化炭素をはく息へもどすことから始まります。血中に入った酸素は速やかに赤血球のヘモグロビンの鉄に付き、心臓のポンプの力で全身に運ばれます。最後に毛細血管で酸素は切り離されて、周囲の細胞へ取り込まれます。つまり、A)心臓とB)肺はC)赤血球との共同作業で酸素を末梢組へ運んでおり、末梢の細胞に対して、同じ方向の働きをしていることになります。従って、この3つの全く別に見える体のパーツの、どれが働かなくても末梢の酸欠につながり、似たような症状をきたします。 動悸:心臓の拍動を意識する原因は大きく分けて次の3つです。@心拍数が多い場合、
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A不整脈がある場合、B何も起きていないのに心臓を意識してしまう場合です。心不全などでは@とAが合わさっていることもあります。 息切れ:体の酸素不足を深い呼吸を頻回にすることで補っている症状です。様々な肺の病気でおこるので、息切れだけで原因を診断することはできません。陳旧性肺病変(昔の結核の痕など)や肺の手術など過去の病気の後遺症や、COPDやぜん息などの肺の慢性疾患、肺炎やガンなどのこともあります。肺以外の病気では、A)心臓やC)赤血球に問題がある場合もあります。心臓病では、弁膜症や心筋症、心房細動などの不整脈で起こる心不全も酸素を体の隅々まで運べなくなるため、呼吸で酸素の取り込みを増やし補おうとして息切れを起こします。また、貧血が強い場合も酸素を十分運べず、体の末梢が酸欠になり、同様に肺で補おうとして息切れが起こります。 このように動悸、息切れは単純に心臓や肺の病気とは限らず、酸素の取り込み・運搬を行う各組織全体の問題として起こっているのです。
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