フレイルの予防策

運動
 考え方としては、@衰えた筋肉を取り戻すというボディービルドの様な筋トレと、A転ばないようにバランス力を高める運動が必要です。
@筋肉量を増すためには、ある程度負荷をかけることが大切です。椅子を使った運動では、座ったままで、かかとやつま先を繰り返しあげたり、片脚ずつ上げ伸ばしする運動、立ち上がりを繰り返す運動がよいでしょう。また、立ったままでかかとを上げ下げしたり、膝の曲げ伸ばしをしたり、スクワット(膝を曲げで腰を落とした姿勢を維持する)をするのもよいでしょう。マシーンを使っての筋トレも有効です。Aバランスを取るためのもっとも大切な運動は歩行です。片脚立ちや方向転換、大股の歩行なども有効です。
無理をしないことと、できるだけ毎日行うことがポイントです。なお、人によってメニューは違うので、わからないときは運動療法に詳しい人に相談しましょう。
食事と栄養
 お肉を食べればよいという簡単なことではありませ

ん。現代のお肉は肥育した家畜を解体したものなので、脂肪がたっぷり入っており、食べ過ぎると肥満の原因となります。もっともよいのはマグロや鰹などの魚です。また、牛や豚肉であれば、脂身の少ない赤い部分がよいでしょう。また、サプリメントの中には、必須アミノ酸のうちのもっとも大切な分枝鎖アミノ酸(BCAA)を多く含むアミノバリューやアミノバイタルも販売されており、これらを利用するのもよいでしょう。ただ間違えていただきたくないのは、タンパク質の材料のアミノ酸を摂れば自動的に筋肉量が増えるわけではありません。あくまでも、十分な運動をした上で摂取する必要があります
認知機能の低下を防ぐ
 知的な毎日を送ることが最も重要です。具体的には、受け身な娯楽番組を漫然と見ているのでなく、見るのなら発見があったり、考えさせられる番組を中心とし、新聞や書籍など能動的に情報を得る努力をしましょう。パズルや囲碁、将棋などの脳トレも効果的です。また、手紙や文章を書いたり、楽器を演奏したり歌を歌うのも前向きでよいでしょう。

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