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鎌倉市大船 山口内科 

血管とリンパ管

 血液は、赤血球や白血球などの細胞、タンパク質、糖、脂肪などの栄養素、尿素やクレアチニンなどの老廃物、そして塩分と水から成り立っています。これらのわかりやすい物質の他に、酸素や二酸化炭素など、全身の細胞に必要な重要成分も含んでいます。血液は、心臓というポンプによって動脈を通り、体の隅々まで運ばれ、毛細血管を通して血管外と物質や水を交換しています。交換が終わった残りは、主に静脈を介して心臓へ戻ってきますが、一部はリンパ管という管を通って太い心臓近くの静脈まで戻り、静脈血と混ざり合います。
 このように、血液は往きは動脈という一本道を進み、帰りは静脈とリンパ管の二本を通ります。帰りの二重構造の理由は、血液循環は「物質を運ぶこと」と、液体と細胞の間で「物質のやり取りをすること」、の、2つの重要な働きのためです。前者はポンプの働きで短時間に解決しますが、後者のような物質のやり取りは時間がかかります。液体成分がいったん血管の外に出て、物質

が細胞へ取り込まれるのは、物質がただ流れるのと異なり、相当の時間を要し、細胞から出てきた物質も血管へすぐ入れるとは限らず、細胞の周囲でまごつくこともあるからです。血管へ戻れない液体の行き先がリンパ管で、最終的に太い静脈へ戻ります。
 細胞周囲で滞っている物質は、体に不要なもの、毒性のあるもの、細菌やウイルスなど有害なものも含まれます。リンパ管を流れる雑多なものを含むリンパ液は、門番であるリンパ節で濾され、静脈へ戻っても全身へ有害物が広がらないように浄化されます。従って、あるリンパ管より末梢で炎症やガンが起こると、それらの悪影響を血管に入る手前で排除しようとリンパ節は活発に働き、その結果リンパ節が腫れます。上気道感染症の時には首の、足に怪我をすると足の付け根(そけい部)のリンパ節が腫れるのも同様です。
 胃ガンの時に胃のまわりのリンパ節が腫れ、乳ガンの時に脇の下のリンパ節が腫れるリンパ節転移は、ガンの悪影響(転

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