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鎌倉市大船 山口内科 

光による皮膚障害の仕組み

 光による皮膚障害と言えば、一般に紫外線による日焼け(火傷)がイメージされます。太陽光は、熱の源となる赤外線(700nm<)、見える光としての可視光線、そして、様々な化学反応を起こす紫外線(<400nm)の3つに分けられます。これらは、皆同じ電磁波ですが、上記のように、波長のちがいで区別されています。このうち紫外線が直接作用し、皮膚の細胞や角化層に化学変化を起こしたり、細胞が死んでしまうのが日焼けです。
 光による皮膚の障害は、直接的な日焼け以外にも、薬などの影響をうけ、様々な仕組みで起こります。代表的なものは以下の2つです。
光毒性(ひかりどくせい)
 光に敏感になり、少量の光線に当たっただけでも皮膚に障害を起こすことです。一般の日焼けとちがって、大して強い光に曝されていないにもかかわらず、ひどい皮膚障害を起こす状態です。ある種の植物オイル、薬物の服用、そして湿布など外用剤を使うことで、それらの成分が皮膚の細胞

に取り込まれ、細胞が敏感になり、紫外線の化学作用を強く受けやすい状態です。
光アレルギー
 「光にアレルギー?」といぶかしく思ってしまいますね。実際に光に関連する部分と、一般的なアレルギー反応と両方の顔をあわせ持った病態です。
 皮膚内の薬や体内の物質が、
光による化学変化を受け、それ自身がハプテンとしてタンパク質と結合して抗原性をもったり、分解した物質が体内のたんぱく質と結合して完全な一つの抗原となって、免疫の過剰反応としての、アレルギーを起こすものです。下線部以外の部分は、花粉症や卵アレルギーと全く同じです。光アレルギーは、他と同様、体がある物質を抗原として認識し(感作)、記憶しなければならないため、薬物などを使って直ぐ起こるわけではありません。光毒性は、皮膚が物理的に過敏になるだけなので、はじめての物質に曝(さら)されても起こります。






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