脳圧が上がる頭痛

クモ膜下出血・脳出血
 異なる場所とは言え、突然脳内に出血する危険な病気達です。いきなり血管がブチッと切れるため、急激に頭蓋内の圧が上がり我慢できないどころが、意識を失うほどの頭痛を覚えます。"車の中で爆竹をバーン!と爆発させる"ことを想像して下さい。この爆発のイメージが、頭蓋骨内の急性出血の症状の起こり方に一致します。
 どちらも概ね、意識障害やマヒなどの神経障害を伴うため、救急車を呼ぶのをためらう人は少ないでしょう。
脳炎・髄膜炎など
 インフルエンザを含め、ウイルスや細菌感染で、脳に炎症が広がって生ずる頭痛です。炎症とは。@赤く、Aはれて、B熱を持って、C痛むことです。頭蓋内で炎症が起こるとむくんではれます。はれは水分やタンパク質などがしみ出て起こる局所的な体積の増加です。サイズにピッタリフィットする頭蓋内に安置されていた脳は体積を増やそうとする圧力がかかると、圧迫されて痛みを感じます。ちょうど、満員電車の中で窮屈な思いをしているところに、次の駅で10数名乗り込んで来て、押しつぶされてしまったイメージです。
片頭痛(偏頭痛)
 お風呂上がり、たっぷり眠ったあと、仕事のストレスから解放されホッと一息ついたときなどは、副交感神経の働きが活発になり、動脈の緊張が緩みます。動脈の緊張が緩みとは、血管が広がることを意味します。頭の中で血管が広がると、頭蓋内へドッと

血液が流れ込み、血管内の圧が上がったり水分が漏れ出て、脳内出血と同様に脳圧が上がり頭痛がします。
 片頭痛は広がった血管にドッドッと血液が流れ込み脳圧が上がるので、"
拍動感を伴う頭痛"がします。                                    
血管の拡張による血液の脳への流入が脳圧亢進の原因なので、血管収縮を促すトリプタン系や、エルゴタミン系の薬が有効です。これらの薬をタイミング良く使用すれば、今まで繰り返し悩まされてきた頭痛から解放されることでしょう。
脳腫瘍
 脳腫瘍は頭の中で少しずつ育ちます。このため、頭痛も徐々につらくなり痛みが日を追って強くなるのが特徴です。脳のどこにできるかにもよりますが、様々な神経症状(マヒや視力障害、てんかん発作など)を良く伴います。一般の頭痛薬の効果も限定的です。このような頭痛の場合は、一度は頭のCT検査を受けておくべきでしょう。
慢性硬膜下血腫
 高齢者の方が頭をぶつけ、脳と、頭蓋骨の間に血腫ができるものです。いわば、
頭の内側にできた"たんこぶ"です。高齢者の方では、脳が萎縮している場合が多く、多少のたんこぶが頭の中にできても、大して脳が圧迫されず痛みを感じないこともあります。よく見られるのは、転んでからぼけてしまったという症状です。血腫で、脳が圧迫され、機能低下を起こすのがその理由です。






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