花粉症治療の原則

Q1.いつから薬を飲み始めるのか?
 花粉の飛散量にもよりますが、症状が出始める時期はおおむね毎年同じ頃です。そこで、前年度はどうだったか振り返ってみましょう。おくすり手帳で確認してもよいでしょう。前年度がわからなかったり、例年より花粉の量が多かったり、気候が異なる場合は、シーズンインのころ「クシャミや鼻汁があり、カゼかな?」と思った時が薬を開始するタイミングです。
Q2.できるだけ薬を我慢した方がよいのか?
 アレルギー性鼻炎の初期は抗ヒスタミン剤でクリアできますが、いったん"スイッチが入って"こじれてしまうと、軽い薬では手に負えなくなります。そこで、「スイッチが完全に入る前にいったん切っておく」ことが大切です。これがQ1のポイントです。
Q3.同じ薬を飲み続ければよいのか?
 花粉の量や症状で変えていく必要があります。飛散量が増え、症状が悪化したり、結膜炎、副鼻腔炎、喘息様のセキが出てくれば対処するのが当然です。飲み薬だけでなく、点鼻薬の併用も有効です。

Q4.抗ヒスタミン剤で鼻づまりが取れないが?
 鼻づまりは強い炎症で粘膜が腫れた結果です。鼻水を止める作用が強力な抗ヒスタミン剤ですが、残念ながら鼻づまりにはあまり効きません。プランルカスト(オノン)やシングレア等のLT拮抗剤や、ステロイド(メドロール、プレドニン)、点鼻薬が有効です。鼻づまりは副鼻腔炎や肺炎など、合併症の引き金になるため、できるだけ解消しておきましょう。
Q5.マスクをした方がよいのか?
 花粉などのアレルギーの素が鼻粘膜に吸い込まれ、アレルギー反応のスイッチが入ったのがアレルギー性鼻炎です。マスクはスイッチを切ることはできませんが、入れないことはできます。アレルギー反応を元から絶つために最も有効なのがマスクです。また、マスクで作られる鼻とマスクの空間は温度や湿度が高くなり鼻や気管支に優しい空気を提供します。メガネをすると曇ってうっとうしいですが、時期が終わるまではできるだけ着用してください。






抗ヒスタミン剤の選び方

 抗ヒスタミン剤は、花粉症や鼻炎に限らず、じんま疹、アトピー性皮膚炎その他、アレルギー疾患治療の主力です。
 アレルギー反応が起こると

白血球からヒスタミンと呼ばれる物質が放出されます。このヒスタミンは鼻や皮膚に炎症を起こす指令となります。抗ヒスタミン剤は、ヒスタミ

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