一つです。
 タミフルの副作用と間違われやすいのですが、海外の事例を見ると脳症を疑う症状が出た場合は、速やかに、抗ウイルス剤が使われています。もちろんタミフルを使用中の場合も続行です。日本では、意識が怪しい場合、何でもかんでもタミフルの副作用にしてしまう傾向がありますが、脳症や肺炎のことを考えるとできるだけきちんと抗ウイルス剤を使っていくべきでしょう。ネックは、年齢によるタミフルの使用制限です。厚労省はこの点を曖昧にして、処方の責任を現場に押しつけており、今後10歳代の処方が問題になるはずです。

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るため、重症例では抗生物質も併用されています。
 肺炎・ARDSの症状は、強い咳が続く、息切れがする、深呼吸をすると胸が痛む(胸膜炎の症状)、横になると苦しくなる等です。痰は肺炎の状況によって出る場合も出ない場合もあります。これらの症状がある方は、すぐに申し出てレントゲン検査を受けましょう。
2)脳症
 一般に幼少児から20歳までの若者に起こります。脳炎を起こして脳波に異常が出たり、てんかん発作を起こします。意識が怪しくなる場合もあり、重症化の


流行は集団発生から

 インフルエンザは人から人へうつるもの。免疫の無い人が密集し、しかも無防備な人の集まりほど集団発生がおこります。このため、手一杯となったPCRによるH1N1の精密検査は、集団発生が疑われる場合にのみ重点的に行われています。夏休み中は通常の授業がないため、クラブや合宿など小規模、単発的な集団発生がまばらに起こっています。しかし、いったん夏休みが終わると全国一斉に児童・生徒の集団生活が再開

されるので、新型インフルエンザが本格的に流行すると予想しています。従ってインフルエンザ対策は、9月、10月に正念場を迎えることになるでしょう。
 集団発生を防ぐには、
1人の感染者が出たら集団を7日間自宅待機とすることです。すでに数名に感染している可能性が高いからです。咳エチケットや、手洗い、マスクも大切です。
 自宅待機を繰り返すことにより授業や仕事が進まないことも問題ですが..。

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