NEJMから見るアメリカでの現状


 アメリカの最も権威のある医学雑誌New England Journal of MedicineよりアメリカでH1N1型新型インフルエンザと確定診断された642人の人の状況をまとめた論文が5月7日(日本では5月8日)に発表されました。http://h1n1.nejm.org/
 急ごしらえなためデータに不揃いが見られますが、分母はデータの母集団数なのでそこを見ながら眺めてみましょう。
年齢分布 10歳〜50歳で75%を占め、51歳以上は5%に過ぎません。若い人ほど感染の可能性が高いようです。若い人は学校など集団生活を送る環境にあり、社会的なネットワークも雑多で広いため、彼らの間で広がりやすいと考えられています。また、高齢者は過去に似たようなウイルスに感染し、免疫を持っていたり大昔に接種したワクチンの効果が残っているため抵抗力が強い可能性もあります。学校や社会にでる若者に比べ、高齢者はインフルエンザの検査を受ける機会が少なく、たまたま検出されていない可能性も指摘されています。
 潜伏期間は2〜7日です。日本でのガイドラインでは10日間の経過観察が必要とされているので3日間長めです。
症状 発熱が何度以上と書かれていませんがアメリカCDCのガイドラインを元に考えると37.8℃以上と思われます。発熱が無く軽く済んでしまう人がいるかどうかは今のところをわかっていません。上3つの症状は季節性インフルエンザでも共通です。しかし、下痢、おう吐は季節性インフルエンザではほとんど見られません。どちらか一つの胃腸症状を持つ人が、実に38%いるのが新型インフルエンザ(swine flu)です。このため、セキやくしゃみの飛沫感染だけでなく、下痢、吐物内のウイルスが口から< BR>

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入って感染する可能性もあるため、マスクだけでなく手洗いによる予防も大切です。
入院した重症例
 季節性インフルエンザが重症化して死亡に結びつく時は、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌など一般的な細菌性肺炎を合併した場合です。元々余病を持っていたり、高齢者や幼少時などが重症化しやすい人です。新型インフルエンザ(豚インフルエンザswine flu)の重症化は、弱い人だけでなく若い健常者にも起こっていることが特徴です。65歳以上の高齢

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新型インフルエンザと
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