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認知症の半分はアルツハイマー型認知症です。残りの半分は脳血管性認知症です。後者は動脈硬化が進んだ結果、脳卒中となり、脳細胞が減ることが脳機能低下の原因です。動脈硬化は、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症など三大生活習慣病により加速します。このため生活習慣病の改善により、認知症を防げる可能性があります。アルツハイマー型認知症は、脳細胞が変性して死んでいく特殊な病気と考えられおり、脳血管性認知症と厳然と区別されていました。近年では両者がオーバーラップしている場合も多く、顕微鏡で脳を観察すると両方の特徴が一人の人の脳に見られることも判明してきました。このため、予防を考えるにあたって生活習慣の改善は避けて通ることができません。 それでは、アルツハイマー型認知症の主な原因はなんでしょうか?アルツハイマー型認知症の脳を見てみると"老人斑"と呼ばれるシミのようなものができています。これは、β-アミロイドと呼ばれるタンパク質です。このタンパク質でできた老廃物が脳細胞に溜まっていることがアルツハイマーの特徴です。しか
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し、β-アミロイドがアルツハイマーの原因なのか、アルツハイマーの結果溜まったものなのかは実のところよくわかっていません。アルツハイマーが発症する30年も前からこの物質の脳への蓄積が見られることから、もしβ-アミロイドの蓄積を防ぐことができればアルツハイマー型認知症の予防に近づける可能性はあります。 現在アルツハイマーの治療薬としてアリセプト®が健康保険で認められています。この薬はアルツハイマー型認知症の進行を抑える可能性があるとされています。記憶や認知機能にアセチルコリン作動性ニューロンが関与しているという説があります。アリセプト®はこのアセチルコリン作動性ニューロンの機能を高めるため、記憶機能が高まると考えられています。しかし残念ながら、β-アミロイドの付着を抑えるなど原因治療に迫れるものではありません。 先々、認知症の研究が進み、脳の老化を食い止めるすべが見つかるかもしれません。それまでは、現在までに明らかになっていることを基に、予防を考えていくのが得策です。
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