様々な不眠症

「実は寝つけないんです。」、「寝入っても、2時間もたつと目が覚めてそれから眠れないんです。」、「早朝3時になると目が覚めてしまい、困っています。」など、不眠に関する相談の多さに最近驚いています。日本人の5人に1人が不眠を訴えており、20人に1人が睡眠薬を飲んでいるとされ、これらのデータからはもはや、不眠はあながち珍しい病気というより、ごくありふれた状態と言えましょう。世の中が忙しくなり、セブンイレブンはおろか、"24時間働けますか?"というコピーが出るなど、ひどく体内時計をないがしろにする時代になりました。このようなビジネス環境の変化、様々な心配事の溢れる不安化社会、人口の高齢化などが重なって、睡眠薬にお世話になる人が増えています。まずは睡眠障害を主に3つのパターンに分け、その特徴をまとめてみます。その症状は順に、冒頭に書いた訴えです。






1)入眠障害
 スムーズに寝つけない状態で、不安や緊張が強かったり、心配事があったりする場合です。特に、眠れないことを心配したり、睡眠薬に対して不安を抱いていたりするとますます眠れなくなります。今日こそ眠ってやろうと意気込んで床に入るのはもっとも良くない対処法です。むしろ眠くなるまで床につかない方が良いでしょう。穏やかな音楽を聞いたり、刺激のないテレビや本を読んで眠くなったら床について下さい。夜型生活に慣れて、体内時計が狂い、遅い時間にしか寝つけなくなって、朝も起きられなくなる人もいます。若い人に多いパターンです。夜型の人は、早く床に入ってもなかなか寝つけないため、眠くても朝早く起き、体内時計を普通の人と同じようにリセットするのが良いでしょう。

2)中途覚醒
 途中で目が覚めてしまい熟睡感が乏しくなる睡眠障害です。日中充分に運動しないと、眠ってからすぐに体の疲れが取れて、中途半端に目が覚めてしまいます。このような方は、日中しっかり運動したり、体が疲れてくるように少し遅くなるまで起きていると、たっぷり眠れます。また、体の変化(病気)で起こる中途覚醒もあります。高齢になり夜間のトイレの回数が増える場合です。70才を過ぎると腎機能が衰え、薄いおしっこがたっぷり出るため、夜間の排尿回数は1〜2回が当たり前になります。3回以上だと睡眠障害を自覚します。男性の場合、前立腺肥大や前立腺ガン、女性なら膀胱筋群の機能低下などが、排尿障害を起こし不眠につながる原因です。最近よくメディアを賑わす、睡眠時無呼吸症

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