鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第21巻12

ウイルスの増殖と体細胞

 図は、新型コロナウイルスが細胞内に入ってどのように増えていくかを示す模式図です。 順に、
@ウイルスが細胞表面の
ACE-2レセプ
 ターなどの結合部位に付着する
Aウイルス膜と細胞膜が癒合し内側に取り
 込まれる
Bウイルス
RNAは、RNAポリメラーゼと言う酵素でウイルスRNAを鋳型として複製される
Cウイルス
RNAは自身成分を作る情報源(メッセンシャーRNA)となり、細胞質や小胞体などのリボソームで、その成分が作られる。
Dゴルジ装置などで、ウイルス
RNAと他の成分が編集されまとめられる。
Eウイルスが完成する
Fウイルスが細胞外にどんどん排出される
G細胞外ではリンパ球が作った
IgGなどの
 免疫グロブリンがウイルスを攻撃する
 このようにコロナウイルスは
RNAという遺伝子タイプのウイルスなので、細胞質内で、RNAポリメラーゼという酵素で複製されます。また、

RNAを元にリボゾームがタンパク質などをつくります。細胞室内で増えたRNAはリボゾームで作られた、他の成分タンパク質などといっしょにゴルジ装置に入り、そこで修正を受け、ウイルスの形に作られます。ゴルジ装置から出たウイルスは細胞膜から外に排出されます。そして、セキの飛沫や呼吸のエアロゾルで排出されます。
 ウイルスが細胞外にでると、そこには体の免疫力が待ちかまえ、ウイルスを排除しようとします。リンパ球やそれらが作る
IgGIgMなどの免疫グロブリン、サイトカインというウイルスを攻撃する兵器です。IgGなど免疫グロブリンは、攻撃対象の様々なウイルスごとにウイルスとの結合部位が違っています。この性質を利用しウイルス成分と反応する免疫グロブリンを検出できれば、ウイルスに対する免疫ができていることもわかります。
 これらのウイルスがヒトの体細胞で複製される仕組みや、攻撃される仕組みは、ウイルスに対する治療薬探しや、検査法を理解するために大切です。

気道上皮細胞とウイルス増殖

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