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炎症のイメージができましたところで、その解決策について簡単にまとめてみましょう。一口に炎症といっても原因、場所、程度など千差万別なため、それぞれ違った対応が必要です。炎症は、引き金となる原因が残っている限り続きます。時には原因が去っても、慢性的な炎症を繰り返す場合もあります。順序としては、炎症の原因を探り、それを取り除くことが先決でしょう。根本的な解決策です。炎症の原因の主なものは図に示しました。もちろんこれだけではありません。しかし、我々は最低限この程度の原因を頭に浮かべて炎症を考えています。見てすぐわかることもありますし、血液や尿を調べたり、細胞を調べなくてはわからないものもあります。原因がわかれば、それを取り除く根本的な治療や予防が基本です。扁桃腺(化膿性扁桃炎)や膀胱(膀胱炎)についた雑菌を殺すために抗生物質を使ったり、C型肝炎ウイルス(肝炎)を退治するためにインターフェロンを注射する。花粉症(アレルギー性鼻炎)を予防するためにマスクをする。免疫異常(関節リウマチなど)を治めるために、免疫抑制剤を使ったり、日焼け(紫外線によるやけど)の予防のためにサンブ |
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ロックをぬるのもよいでしょう。腫瘍や石があれば、切除することも必要です。
原因が分からない場合や取り除くことができない場合も解決策はあります。炎症の
4症状を炎症の場で抑えればよいのです。例えば気管支を広げて痰を出せば、肺の炎症は改善する可能性があります。ウイルスを消せなくても、肝臓を守る薬を使えば肝炎が進みません。膵臓の酵素を抑えれば膵炎が治り、熱が出て頭が痛ければ頭痛薬(消炎鎮痛解熱剤)を飲めば良いでしょう。肩に湿布を貼れば筋肉の腫れや痛みが取れます。湿疹では、赤く腫れて痛がゆいところに軟膏を塗れば、治っていきます。点鼻薬や目薬をさすと、赤みや痛みが引いて腫れも取れます。これらの治療は、症状を取るための治療ですから、対症療法と呼ばれます。 図のピンクの部分や、炎症から4症状へ行く途中を抑える治療もあります。現在その中心は副腎皮質ステロイドホルモンです。これは内服薬、注射薬、塗り薬、点鼻薬、目薬などが揃い、原因に関係なく炎症を抑えます。最近では、炎症の場で4症状を起こす種々の起炎物質が発見されており、その物質の働きを抑える抗炎症剤も開発され、様々な用途に使われています。 このように炎症も多様であるため、何がどのように起こっているのか、常に我々は考えています。そして、いろいろな状況を想定し、可能性の高い解決策を選んで炎症の治療に取り組んでいます。
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