この範疇に入るものは2つあります。
頻脈性不整脈:上室性頻拍症、心室性頻拍症、頻脈性の心房細動、WPW症候群に合併する発作性の頻拍症などです。主に心拍が速すぎて心室に十分血液が溜まらないうちに拍動が起こり、十分な血液を送り出すことができず、脳へ必要な酸素が送れない場合です。空振りを繰り返している状態のイメージです。上室性の場合は、比較的良性ですが、心室性の場合、心筋梗塞や心筋症など心筋に重大な障害を起こしていることが多く、突然死の原因になることがあるので要注意です。抗不整脈剤が基本ですが、基礎となる心臓病や心不全の治療を合わせて行ったり、除細動器の埋め込みを行わなければならない場合もあります。なお頻度の少ない、期外収縮は、失神の原因とはなりません。
徐脈性不整脈:脈が遅くなりすぎて、一回の拍動で、十分に血液を送り出せているものの、回数が少なすぎ

てトータルとして脳へ必要な酸素が送れていない状態です。房室ブロック(モービッツII型、III度房室ブロック)や、洞機能不全症などが該当する病名です。心臓の拍動数を管理している洞房結節の不具合や、リズムを伝える電線が断線して起こっているため、薬物治療はありません。場合によっては他の不整脈や、徐脈を起こすβブロッカーという降圧剤として使われる薬剤の副作用で起こっていることもあるので、飲んでいる薬を確認し中止する必要がある場合もあります。治療は心臓ペースメーカーを植え込み、心筋に拍動のリズムを送り込むことです。鎖骨下静脈より心臓に電線を挿入し、前胸部の皮下に電池入りの本体を植え込みます。電池の寿命はおよそ8年程度で、定期的に電圧の低下がないか確認しながら、時期が来たら埋め換えます。また、強い電磁波を避けたり、MRI検査の制限がでてきます。

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