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健常な人でも失神を経験する可能性が高いのが、この血管迷走神経反射です。血液を流すチューブの働きを持つ血管は、血液の流量が多い時は内径を広げ、少ないときはこれを狭め、内圧に変化を起こさないように調節しています。動脈における内圧がいわゆる血圧です。また、血圧が上がりすぎたときは内径を広げてこれを下げ、下がりすぎたときは内径を狭めて血圧を保ちます。そして、熱が出たり体が暖まりすぎたときは血管は拡張して熱を逃がし、熱が下がり過ぎたときは血管が収縮し、熱が逃げないようにして体温の変化を少なくしています。 この血管の伸縮をコントロールしているのが交感神経と、迷走神経とも呼ばれる副交感神経です。交感神経は体を活発に動かすために活躍する神経なので、血圧を上げ、迷走神経は休んだり体の植物機能(消化吸収などの胃腸の働き)が優勢にするときに働くため、血圧を下げます。この迷走神経が過剰に反応し、瞬間的に血管が広がって、血圧がドーンと下がるのが、血管迷走神経反射です。 特徴:元々血圧が低めの、若い女性に多く、きっかけとなる状況があることが多いため、失神時やその前にどんなことがあったのか確認することが大切です。神経の調節力が落ちている高齢者にもよく見られます。 前兆やよく見られる状況:
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頭痛、気分不快、おう吐、排便(特に大量の下痢など)、排尿など、迷走神経が働くことで起こる、身体の生理活動がきっかけです。逆に、動悸や発汗(冷や汗)など、交感神経が働いて起こる症状が失神の前兆として出る場合がありますが、これは、一時的な血圧低下に対して、交感神経が血圧を上げ体を支えようと努力した結果です。残念ながら交感神経の失地回復が不十分だったという証拠でしょうか。 対応と予防: 基本的に数分で反応は終息し、自然に血圧は回復し意識も戻ります。このため、薬物治療はありません。しかし、意識が遠のき頭を打つなどの事故が最も問題になるので油断なりません。なりやすい状況や体質があるため、そのような方は繰り返すので、前兆のうちにしゃがむなど対応することも大切です。また、なりやすい原因、として低血圧、降圧剤や血管拡張剤、利尿剤の効きすぎがあるので、該当する場合は薬の見直しが必要です。アルコールの飲み過ぎも原因となりますので注意しましょう。来たなと思ったら、すぐに横になり、頭を低くし足を高くすることで、脳の血流を保つことが可能なので倒れることも避けられ、意識の回復も早まります。採血など、痛みやうれしくないことで反射が起こる場合もあります。起こる可能性がある方は、横になって採血や注射を受けてください。
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