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人の体を守る働きを担う細胞は様々で、皮膚の細胞などもその一つです。しかし、積極的に免疫機能を果たすのは白血球達です。血液中の細胞で、赤血球でないものを、まとめて白血球と呼んでいます。これらを一つ一つ見てみましょう。なお、血中には骨髄の巨核球と呼ばれる細胞の破片である、血小板もあり、止血機能を果たしています。赤血球とともに、これら全ての細胞成分は骨髄で作られています。以下の細胞達は、血液検査結果としてお渡ししている、赤い血液検査報告書の伝票に載っています。 A)顆粒球 好中球(Neutrophil):白血球のおよそ2/3を占めており、血液を顕微鏡で観察する際に中性の色素でうす紫に染まる、殺菌性の酵素を含む顆粒を持つ細胞です。アメーバのようによく動き、体内に入ってきた細菌やカビを食べて殺す働きをしています。黄色い痰やウミは、好中球が細菌を食べるなどして戦い、力尽きた死骸達です。膀胱炎で尿が濁るのも好中球をたくさん含んでいるからです。 好酸球(Eosinophil):酸性の色素に染まる赤い顆粒を持つ白血球で全体の2~5%を占めます。アレルギー性鼻炎やぜんそく、アトピー性皮膚炎などのI型アレルギー疾患や、寄生虫感染などで増えます。アレルギーで増加するヒスタミンの活性を抑え、アレルギー疾患の悪化をコントロールする働きをしています。 好塩基球(Basophil):アルカリ性(塩基性)の青い色素に染まる顆粒を持つ細胞で、全体0.5~1%程度です。この顆粒には、ヒスタミンやセロトニンという物質が含まれ、これらが好塩基球から放出されると、ぜんそくやじんましん、花粉症など様々なアレルギー性疾患が引き起こされます。血管外に出た細胞は肥満細胞と呼ばれます。 B)単球(Monovyte):一見顆粒を持たないように見える、大きめな白血球です。好中球と同様に、細菌などを食べて殺すほか、食べた物質の抗原としての目印を、後述のリンパ球達に知らせる働きを持つほか、TNFやIL-1などのサイ
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トカインを放出するなど、様々な免疫機能を担っています。血管外に出たものは、マクロファージと呼ばれています。 C)リンパ球(Lymphocyte) 小型で細胞質成分の少ない白血球で主に以下の3つに分類されます。 T細胞(T-cell):骨髄で作られたあと、胸腺(Thymus)に移動し、教育され分化、成熟します。以下の2つに分かれます。 Helper T細胞:この細胞自体は直接外敵を攻撃する働きは無く、CTLやマクロファージを活性化させ、これらの免疫機能をサポートしたり、B細胞や抗原を知らせる細胞と協力し、外敵に対する抗体産生を促します。T細胞から他への指令は、サイトカインという物質を分泌することで行っています。AIDSウイルスは、この細胞に感染し、これを壊してしまうため、Helper-T細胞の行うべき機能が果たせなくなり、免疫不全を引き起こします。 細胞障害性T細胞(CTL):パーフォリン、グランザイム、TNFなどの物質で、ウイルスに感染した細胞などを攻撃し、破壊します。ガン細胞を攻撃したり、移植された他人の臓器を攻撃するのもこれです。 B細胞(B-cell):骨髄で生まれ育ち、成熟後は、リンパ節や脾臓などへ移動し、外敵からの攻撃に備えます。異物が侵入したとの情報をもらうと、形質細胞へ進化し、IgGやIgM他の抗体をつくります。この抗体はタンパク質で血液に溶けているので液性免疫とも呼ばれています。インフルエンザなどのワクチン接種は、外敵の成分を体内に注入し、B細胞系の細胞に抗体を作らせることで予防効果を発揮します。 NK細胞(Natural Killer cell):T細胞の様にあらかじめ抗原物質を覚えさせ、次の機会の免疫機能を期待するのではなく、教えないのに自然と、ウイルス感染細胞やガンなどの外敵を自分で察知し、攻撃してくれる細胞です。攻撃の武器は、CTLと同様な物質です。
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