鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活18巻4号

すこやか生活

体の組成・成分

 人の体は、様々な有機物質とカルシウム(Ca)やナトリウム(Na)、鉄(Fe)などの金属を含む無機物質、そして水で成り立っています。
 有機物質には、主に
炭水化物と言われる糖や、グリコーゲンと呼ばれるデンプン質、筋肉を中心とした細胞の主な構成成分であるタンパク質、そしてエネルギー源として蓄えられる脂質の3つのものがあります。また、これらの2つが組み合わさった、コラーゲンのような糖タンパクや、細胞膜の成分として重要な糖脂質などといったものも存在します。有機物質には主に、酸素(O)、炭素(C)、水素(H)そして、窒素(N)の元素が含まれており、炭水化物と脂肪は、CHOで、タンパク質はこの三つにNが加わり主に、CHONの四つで構成されています。
 無機質の主要な構成成分は、骨のカルシウム
(Ca)やリン(P)、赤血球や筋肉に含まれるヘモグロビンやミオグロビンに含まれる鉄(Fe)そして、細胞内外の水分にとけて水のバランスを取ったり、電気のやり取りをする電解質と呼ばれるナトリウム(Na)やカリウム(K)などです。その他、イオウ(S)や塩素(Cl)、マグネシウム(Mg)などが中心です。

 体の構成原子として多いものは順に、
重量順: 
O>C>H>N>Ca>P
原子数順:H>O>C>N>Ca>P です。
 さて体の構成成分を重量ベースで見ると、個人差はありますが、水がおよそ
60%、筋肉などのタンパク質が15%、脂肪などの脂質が15%強、骨などの無機質が5%、炭水化物が2%程度です。
 また、体の臓器・組織ごとの重量内訳と見ると、成人男性の平均で、筋肉が
40%、内臓と神経を合わせて24%、脂肪が18% 骨が18%となっています。
 数字や元素記号ばかりでわかりにくいかもしれませんが、体の成分では水が圧倒的に多く、次にタンパク質や脂肪の順です。パーツでは筋肉が最大の割合です。体重の増減もこれらが中心です。内臓はその周囲の脂肪以外増減の対象になりにくく、筋肉以外では、脂肪、骨が体重の増減を反映します。なお、水以外の成分は、代謝(成分の合成・分解)が関わるため時間がかかり、少しの運動では大きな体重変化につながりません。

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