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骨と一言で言っても、大腿骨のような大きいものから、耳の奥にある耳小骨のような1cm足らずのものまで様々です。また、手や足の細長い長管骨、肩胛骨や頭蓋骨などの扁平骨、背骨の椎骨のような不規則骨など、骨と言っても形状は様々です。形はちがっても胎児のころはすべで軟骨ですが、少しずつカルシウムなどの骨塩やコラーゲン線維などのタンパク質でできた骨基質で置き換えられ、硬い骨が形成されます。小児のうちに、この軟骨が長管骨の両端に残り、成長板とよばれ、ここだけ縦に伸び、骨の伸長、つまり体の成長に関与します。大人になって軟骨が全て骨に置き換わったあとに骨形成を行っているのが骨芽細胞です。また、新しい骨ができるとき古い骨などの老廃物を処理するのは破骨細胞です。骨も皮膚と同様ある程度の新陳代謝が起こっており、この2つの細胞の活動の総和として、現在の骨の状態が決まります。骨折したときは、凸凹した骨折面を破骨細胞がある程度浸食しながら滑らかにし、造骨細胞が骨をつくって骨折の両端を骨でつなげます。また、骨粗鬆では細胞の活動が破骨細胞>造骨細胞となるため、骨基質が減少します。 さて、骨はカルシウムでで
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きていると誤解されていますが、カルシウムはその数分の一にしか過ぎず、リン酸カルシウムなどのカルシウム塩の形で骨に沈着しています。残りはというと、コラーゲン線維などのタンパク質が主体です。カルシウム塩だけで骨ができていると弾力性(柔軟性)がなくなり、白墨(チョーク)と同様、簡単にポキンと折れてしまいます。実際にカルシウム塩が多すぎると骨ができてしまい、骨折を繰り返す大理石病という遺伝性疾患もあります。強い線維状のタンパク質であるコラーゲンが主体となり、それにカルシウム塩が付着すると、弾力性に富み、しかも硬さも備える健康な骨ができあがります。従って、カルシウムだけしっかり摂取していれば骨粗鬆症にならないと言うのは錯覚です。なお、骨の中心部は骨髄という組織があり、造血幹細胞という様々な血液細胞へ分化しうる細胞から、赤血球、白血球、血小板をつくっています。いわば造血の場です。ここは体の他の部分と同様に細胞が詰まっていますので、骨塩や骨基質のような硬い組織と違い、血液細胞を含んだゼリー状の組織です。
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