コロナ時代はスマホが必須に

 新型コロナウイルス感染症で明らかに進むのは情報通信機器の普及と利用率です。3密を避けるテレワークやweb会議など、webショッピングやweb授業からオンライン飲み会まで、様々な場面で、リアルなものがオンライン上でのものに置き換えられるからです。これは、パソコンだけでなくスマホの普及が大きく、これ一つで相当なことができるようになりました。今後は、高齢者であっても、スマホやパソコンが使えないと、様々なサービスから取り残され、一人ぼっちになってしまう可能性が高くなります。少しでも早く利用を始めて下さい。
 コロナ関連では新型コロナウイルス接触確認アプリ(
COCOA) が作られ、現在10%程度の国民がスマホに入れているようです。ただ、60%以上の国民がインストールして使わないと機能しないと言われ、効果の程はわかりません。同様なアプリは世界中に多く存在し、EUなどではエリア全体で使っていこうという動きもあり、国境をまたいでも感染者との接触を追うことができます。
 スマホで拾った症状のデータを
AIで分析し、診断時の症状を類型化してその後の病状の行く末を占うために使っていこうという動きもあります。下の表は、イギリスとアメリカで使われている、COVID

Symptom Studyと言うアプリで集めた症状のデータのAI解析結果です。症状の出ない無症候感染者がいたり、その他の症状も多岐に渡るため何が何だかわかりませんが、AIは様々症状を持つ患者さんを6つのクラスター(グループ)に分類し、その特徴と行く末(予後)を示しました。表の下の方が重症で、注意が必要です。もちろん、下に行くほど、年齢層分布が高かったり肥満が多くなり、糖尿病や肺疾患を持つ人が多くなっていました。これらを元に、発症平均13日目に必要となる呼吸サポート(人工呼吸器など)に陥る可能性を、5日目の症状から予測するためのツールとして発展させていこうという試みも始まりました。今まで臨床の研究はどうしても人海戦術で、データ集めが大変でした。これは一般市民が入力するので手間は大幅に軽減されますが、データの信憑性がやや低くなります。なお、日本ではこのアプリをインストールすることはできません。
 今後も病院に入院したり高齢者施設に入ると、家族の面会まで制限されることが続きます。こんな場合でも、スマホやタブレットがあれば、ビデオ通話(テレビ電話)機能で、毎日のように家族の顔を見て話すことができます。デジタル通信機器の利用をまだできない方は、今から準備をしておきましょう。

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