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"腰を入れる"、"腰が砕ける"、"腰が抜ける"などの言葉が示すように、腰は体を支える重要な部分です。また、"本腰になる"、"腰掛けだ"など、人の行為の本気度を示す言葉としても使われます。腰は、概ね、おなかの裏側くらいのイメージですが、背骨(脊椎)で言うと、肋骨がついている胸椎より下5つが腰椎と呼ばれます。肋骨から骨盤までの間の背中側、つまり腰椎の部分が腰と言っていいでしょう。 腰には、腰椎という骨、椎骨の間のクッションである椎間板、腰椎の中にある脊髄、脊髄から各腰椎の間から外側へ出入りする末梢神経(神経根)、背骨を支える棘間筋や多裂筋、胸棘筋、腰背筋その他の筋肉がパーツとして存在します。ボディの痛みとしての腰痛はこれらのどこかに炎症や圧迫などが生じて起こります。 胸や腹部の背中側、いわゆる腰の部分にはボディのパーツ以外にさまざまな臓器や組織が存在します。腎臓とそれに続く尿管、膵臓、脾臓、肝臓そして腹部大動脈などです。これらの部分に異変が起こっても腰痛は起こります。いろいろな分類や考え方がありますが、まずは、急性と慢性と大まかに分けてみましょう。
急性腰痛)誘因の有無にかかわらず、突然出て、4週間未満の腰痛です。 ぎっくり腰(急性腰痛症):重いものを持ち上げたり、腰をひねったり、かがむなど腰に負担をかけたとき急にギクッと痛みがでるもので、さまざまな出来事の総称的病名です。背骨周囲や腰の筋肉を痛めることが多いと考えられますが、脊椎のじん帯を損傷したり、後述する圧迫骨折や、椎間板ヘルニアが隠れていることもあるので油断がなりません。 椎体圧迫骨折:若い人では
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転落や交通事故が原因ですが、高齢者は骨がもろいため、ちょっと重いものを持ったり、尻餅をついただけで骨がつぶれてしまうことがあります。軽い力がかかっただけで、強い痛みが出る場合は要注意です。
尿路結石:特に原因が無く、急に左右片側の腰が痛みます。尿が濃かったり、血尿が出るほか安静にしていても痛むのが特徴です。 大動脈解離:高血圧や動脈硬化の進んだ人にごくまれに見られます。急な痛みが安静にしていても続き、命に関わることもあり注意を要します。 慢性腰痛)一般に、3ヶ月以上痛みが続く腰痛で加齢によって起こるものが多く、8割が原因不明です。恐らく、腰周辺の筋肉の衰えによる軽い損傷や炎症、レントゲンで診断しにくい軽微な背骨の骨折や損傷が原因でしょう。 脊椎後わん症:いわゆる腰が曲がった状態です。いくつも椎体が圧迫骨折をきたし縦に曲がった状態です。骨折が一段落して骨が固まっていても、不自然な姿勢が原因で、体を支える筋肉に無理がかかり、痛みがなかなか取れません。曲がった背骨を矯正してまっすぐにする手術が行われることもあります。 腰椎分離症:10歳代の慢性腰痛で時にみられます。"運動部を続けているので腰の痛みがなかなかよくならない。"など、といった場合は早めに整形外科に相談する必要があります。 転移性脊椎腫瘍:特に誘因がなく腰痛が続いたり、ちょっと腰に力がかかっただけで痛みがでたりします。神経を圧迫してしびれやマヒを起こすことがあります。様々なガンで起こりますが、高齢者に多い前立腺ガンや肺ガン、乳ガン、甲状腺ガンなどでよく見られます。 4週間以上3ヶ月未満は亜急性腰痛と言われます。
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